簡単な概説
チェンバロの持つ古典的な装飾要素を省略して、性能を重視し現代の居住空間にもマッチする、新しいセンスによるシンプルなチェンバロです。初心者向けのエントリーモデルから、省スペース型のスピネット、さらに本格的な性能重視の二段鍵盤モデルもデビューしました。趣味的な装飾要素は後回し、とりあえずレッスン重視という方に。またご自身で装飾を手掛けたい美術工芸愛好家にもおすすめです。
トピックス
BASIC 二段鍵盤ルッカース 満を持して登場。
装飾要素の無い、シンプルな二段チェンバロの問い合わせは、随分前からいただいていました。しかし現実に試作を行うと、完成度として何かが物足りない印象が残ります。
それは古典的な意匠に支配されているチェンバロの細部が、全体に及ぼすトータルなイメージを作り上げているからだと気が付きます。完全に現代の楽器のイメージで仕上げることも検討を重ねて来ましたが、モダンチェンバロという苦い迷路を思い出させる結果になってしまう懸念もあって、難しい。打開できる手ごたえを見出したのは、2005年にオペラシティの近江楽堂のチェンバロを製作したときでした。
近江楽堂には当初ルッカース二段の導入を検討していました。しかしこの静謐な空間の印象を大切にする意匠には、装飾過多なルッカースはどうにも違和感が漂う。意匠のみならず、余韻の長い音質も響きすぎる空間にはかえって悪影響、旋律の細部が聞き取りにくい状況が生まれてしまいます。
イタリアンを持ち込むと非常に好ましい結果ですが、公共ホールの常設楽器としては、やはり二段鍵盤が欲しいところ。そこであまり一般的ではない初期フレンチという選択肢が生まれた訳です。結果として多くのプレイヤーに好感をもって受け入れられましたが、この楽器の設計の時に、装飾要素に過度に頼らない素材の持ち味を生かした、云わばスッピンの楽器の美しさを見いだすことが出来たのです。
それには素材の樹種や木目の美しさなど、ルッカース仕様とは別な、一歩踏み込んだ視点が必要でしたが、アルダーという木地の美しい素材を得て、やっと実現に至ったという経緯です。「スッピン・ルッカース」がBASICシリーズのコンセプトなのかもしれません。
LINE UP
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BASIC ルッカース 一段鍵盤
- 183cm長×76cm幅 HH〜d3 52音 8ft. ×1列モデル
- ¥980,000
- New entry 8ft.×2列モデル
- ¥1,200,000
1990年試作から、一貫して価格改定なしで製作を継続している、初心者用の性能&扱いやすさ最優先の入門モデル。製作実績は100台を超える。
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BASIC ドゥラン 一段鍵盤
- 210cm× 87cm GG〜e3 58音 8ft. ×2列 モデル
- ¥1,500,000
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BASIC スピネット 一段鍵盤
- 165cm×70cm GG〜d3 56音 8ft. ×1列
- ¥800,000
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多くのご希望の声に応えて二段鍵盤のBASIC仕様、満を持してラインナップ。
BASIC 二段ルッカース
- 220cm×87cm GG〜e3 58音 8+8+4ft.
- ¥2,500,000
マンションのエレベータに立てて乗るサイズです。
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